開催レポート

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密漁防止にドローンを活用!「桑名地区密漁防止合同パトロール(実施:三重県漁連)」にてドローン・ドックステーションの実証試験を実施

はじめに

2025年9月23日に桑名地区密漁防止合同パトロール(実施:三重県漁連)の一環として、「ドローン・ドックステーションを用いた完全自動運行実証試験」のデモンストレーションを担当いたしました。

開催趣旨

合同パトロールのサブテーマでもある密漁防止・貝類の不法採取に対してのドローンの有効性を確認するため、ドローン・ドックステーションのデモンストレーションを行い、参加者の方々へドローンの機能などを確認いただくとともに、主催者側とも以下の観点からも合わせて検証を行いました。

1.スピーカー付ドローンの機能確認とアサリやハマグリなどの不法採取に対しての抑止効果

2.防水仕様のドローンおよび完全自動運行のドックステーションの運用

3.今後の取り組みの継続

実施内容

日時  :2025年9月23日(火・祝)11:30~13:30 

会場  :城南干潟周辺 (三重県桑名市福岡町)

使用機体:DJI Matrice 4TD(スピーカー付ドローン)、DJI DOCK 3(ドローンドックステーション)

飛行条件:天候 曇り 気温 26℃ 離陸前最大風速 3.0m/s 最大高度 50m 運航速度 5~10m/s

備考  :安全面を最大限考慮しパイロット+補助者(監視員2名)で周囲の安全確認を行い飛行

飛行ルート:下図のとおり

会場の模様

検証結果

以下の3つの検証ポイントについて、検証結果をご報告します。

①スピーカー付ドローンの機能確認とアサリやハマグリなどの不法採取に対しての抑止効果の検証について

デモ飛行では、離陸地点から約100m程度沖合にドローンを移動させ、スピーカーから警告メッセージを再生し飛行させましたが、堤防まで十分聞こえる音量でした。また、操作用のパソコンの内臓マイクからリアルタイムでの直接の声かけも実演の中で行いました。
警告メッセージを再生し巡回飛行させる過程で、貝の採取目的で来ていた人が4~5名撤収していくのが目撃され、抑止効果があることが確認できました。

②防水仕様のドローンおよび完全自動運行のドックステーションの運用

実演時の質疑応答の際、以下のご質問やご意見をいただきました。いただいたご意見を元に対策を検討してまいります。

・道路上空を横切るような飛行は可能なのか?ドローンの法律の理解が難しい。

・パソコンからのドローン操作、設定に慣れるまで時間がかかりそう。

・補助者(ドローン監視者)や不法採貝者へのパトロール人員との連携をどうするか検討の余地あり。

・パソコンからドローンのカメラを拡大してみることは可能か?(⇒最大112倍までズームが可能)

③今後の取り組みの継続について

ドローンは雨天時や強風時に使用できないという制限がありましたが、今回実証試験に使用したドローン・ドックステーションは防水仕様となっており、そういった制限を一定クリアできる機材になります。
また、一度飛行ルートの設定を行えば自動運行が可能となり、漁業組合事務所のパソコンから操作・監視が可能となることから、省力化と監視体制の強化が可能となると考えます。

具体的な課題として、補助者(ドローン監視者)とどう連携して安全な運用・監視活動をやっていくか。飛行空域付近の人や物との離隔を十分にとったシミュレーションや訓練が必要となります。

今後の試験運用を通じて各漁協単位でドローンを導入した場合の効果を検証し、地道に取り組みを継続していくことが、漁業資源の密漁の抑止につながるものと考えます。

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